チリとペルーでのウミカワウソの観察

佐々木 浩

2001年1月第8回国際カワウソ会議がチリのバルディビアで開催された時に、ウミカワウソを観察するエクスカーションがあり、海岸から遠くを泳ぐウミカワウソを観察したのが最初であった。しかしこの時は、海に泳ぎ出したウミカワウソ1頭を、少し離れた海岸線の崖の上から観察しただけで、しっかりとは見ることは出来なかった。ウミカワウソは、IUCNのレッドリストではEndangeredにされており、チリからペルーにかけての海岸線にしか生息していない。そして、ウミカワウソにはユーラシアカワウソでは体を洗う真水が必ず必要と言われている常識が通じない。どうしているのかと何度か研究者に聞くがきちんとした返事はない。ラッコも同じであるから、全く海水が入らないような密度で綿毛が生えているからかも知れない。

 2025年2月ペルー・リマで開催された第16回国際カワウソ会議終了直後に開催されたエクスカーションに参加した。会場のシエンティフィカ・デル・スール大学からウーバーを使って乗り合いで南に1時間ほどだったか(リマからなら南へ2時間程度か)離れた場所にあるプルヤデ・プクサナという観光地に行き、そこで観光用の船に分乗して案内してもらった。港には、多くの船が停泊しており、アシカの仲間のオタリアがそこここに横たわっていた。海岸沿いに海鳥やペンギンを観察しながらウミカワウソを探した。すぐ隣の海水浴場ナプロにも多くのヨットや漁船が湾の中に停泊しており、ウミカワウソは船の中で残された魚などを探すらしい。他のグループは小島の沖側で交尾しているウミカワウソを見たという情報が入っていた。私達は、桟橋の下にいるウミカワウソを見つけた。その後、多くの船が並ぶ中を泳いで行き、時には船の中に入って移動して行った。追いかける形になったので、良いのかなと思いつつ付いて行った。追うことはできるのだか、写真に撮るのはなかなか難しかった。ここでは観光地にウミカワウソが生息しており、人と共生していた。チリとの環境の違い、適応能力を知ることが出来た観察であった。

港にいるオタリア

船から観察

船に入っていくウミカワウソ(お尻のみ)

ウミカワウソ(頂いた写真)

多くの船が湾の中に停泊している。ウミカワウソは桟橋の下で休んでいたり、船の間も移動していた。

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