2025年3月~7月に対馬で自動撮影装置を用いたカワウソ調査を行いましたので、調査結果を報告させていただきます。
本調査では皆さまからいただいたご寄付、会費を活用させていただきました。ご支援いただいたみなさまに感謝申し上げます。
日本アジアカワウソ保全協会
なぜこの調査を?
2017年に対馬でカワウソが琉球大学によって設置された自動撮影装置に記録されたことから、環境省は2022年度まで生息状況調査を実施し、雄2頭以上雌2頭のユーラシアカワウソの生息が確認されました。ですが、2020年度2021年度にはカワウソの痕跡が見つからなかったため、対馬ではカワウソは繁殖していないとして環境省は2023年度から調査を打ち切りました。しかし、2023年度から2024年度にかけてカワウソの足跡が見つかり、2024年2月には佐護地域でカワウソの糞が山本氏によって発見されました。足跡もこの1、2年で多く発見されており、野外での寿命は5年程度とされているカワウソが2017年から7年たっても確認されるのであれば、繁殖しているか韓国からの漂着が続いていると考えられます。この調査は自動撮影装置を用いて静止画、動画を撮影し、カワウソの生息確認をすることを目的として行いました。
調査方法について
撮影するためのカメラは地面に打ち付けた木杭に固定して設置しました。カメラは24時間稼働しており、内蔵の赤外線センサーが動体を検知すると静止画と動画を撮影することができます。

自動撮影カメラの設置は、2025年3月11日から2025年7月8日まで行いました。
| 場所ごとの設置および回収日時 | ||
| 設置場所 | 設置日時 | 回収日時 |
| 大船越地域① | 2025年3月11日 12時14分 | 2025年7月8日 8時48分 |
| 大船越地域② | 2025年3月11日 12時30分 | 2025年7月8日 8時42分 |
| 大船越地域③ | 2025年3月11日 12時40分 | 2025年7月8日 8時35分 |
| 佐護地域① | 2025年3月11日 15時58分 | 2025年7月8日 10時52分 |
| 佐護地域② | 2025年3月11日 16時19分 | 2025年7月8日 11時15分 |
自動撮影装置は佐護地域に2カ所、大船越地域に3カ所の合計5台を設置し、佐護地域のみ2025年5月27日にSDカードの交換を行いました。なお、自動撮影装置はそれぞれの地点で許可を得て設置しています。

調査の結果は…?
調査期間中の場所ごとの撮影期間、撮影回数と野生動物の記録が得られた撮影回数を表にまとめました。
| 表 場所ごとの撮影状況 | |||
| 設置場所 | 撮影期間(日) | 撮影回数(静止画/動画) | 野生動物の撮影回数 |
| 大船越地域① | 120 | 542(271 / 271) | 155 |
| 大船越地域② | 120 | 476(238 / 238) | 39 |
| 大船越地域③ | 11* | 1430(715 / 715) | 9 |
| 佐護地域① | 10*+ 43** | 1722(861/861) + 472(235 / 237) | 41 + 16 |
| 佐護地域② | 9* + 43** | 1904(952/952) + 340(170 / 170) | 2 + 21 |
*SDカードの容量限界で撮影が終了した **SDカードを交換した5月27日から計算
佐護地域の2か所は3月の設置からの期間と、5月末(佐護地域①では27日、佐護地域②では30日)のSDカード交換をして以降の期間を分け、SDカード交換の前後を+で分けて表記しています。
今回うつっていた野生動物は、哺乳類が3種(シカ、テン、イノシシ)、鳥類が5種(カラス、トビ、アオサギ、ハクセキレイ、ハト)、昆虫が2種(ツマグロヒョウモン、アゲハチョウ科)でした。他には機材に巻いたテープや人を感知して撮影したものが多く記録されていました。残念ながら調査目的であるカワウソは確認することができませんでした。
カメラを設置しながら痕跡がないかと見てまわりますが、カワウソの痕跡は発見できず…。
今回の調査では良い結果が得られませんでしたが、続けていければと思っています。

