こんにちは、日本アジアカワウソ保全協会事務局の中木原(なかきはら)と申します。
私は研究者ではなく、普通の企業に勤めるただの「カワウソ好き」ですが、好きが高じてカワウソの国際会議等に参加するようになり、そこで出会った先生方と保全協会を立ち上げることになりました。
皆さんはカワウソに会いに行くというと、どんな場所を想像するでしょうか?
日本の動物園・水族館にはたくさんのカワウソが飼育されています。私のカワウソ好きのきっかけも、小学生の時に水族館で見たコツメカワウソがとても可愛く、一目惚れしてしまったからでした。そして、学生時代は動物園・水族館に通い、社会人になった頃から「野生のコツメカワウソを見てみたい」と思う様になりました。
そして、野生カワウソに会えそうな場所で、短期間の休みに行けるところ。という条件でネット検索し、向かったのはボルネオ島(マレーシア・サバ州)でした。
ボルネオはエコツアーが盛んで、野生動物を見に行くツアーもたくさんあり、専門のガイドさんも多いです。


開発された後のわずかに残った森に野生動物が集中しているため、リバーサファリは動物観察しやすいのです。
カワウソは広い縄張りの中にいくつも巣穴を持ち、移動しながら生活する動物です。口コミを頼りに出かけても、出会える確率は低いです。
「この川にはコツメカワウソのファミリーが住んでいる」と聞いて行ってみたら、増水で奥地に引っ越した後だったり、「あの三日月湖にはいつもビロードカワウソがいる」と聞いて出かけても、湖にワニが入り込んだため逃げてしまっていたり。


出典:Tabin -SABAH’S GREATEST WILDLIFE SANCTUARY(Wendy Hutton, Cede Prudente)

2011年から2019年にかけて計7回ボルネオに渡航しましたが、実際に出会えたのは2回だけでした。


またここ数年、シンガポールの都会のカワウソがメディアでも取り上げられ、ご存知の方も多いでしょう。
シンガポールでは都会の公園などにいくつかの群れが棲み、人々が生活するすぐそばを行き来しています。あまりに普通に街中に出現しますが、間違いなく野生のカワウソです。

ちなみに、私がボルネオで見たのは2回ともビロードカワウソのペアでした。ビロードカワウソという種は、ペアで行動することが多いようです。
一方、シンガポールの都会のカワウソは家族単位で行動しています。こちらもビロードカワウソだと言われていますが、実はビロードカワウソとコツメカワウソの雑種だそうです。
今は海外へ行くのは難しく、気軽に旅行というわけにはいきませんが、海外旅行が再開したら、皆さんもぜひカワウソ探しに行ってみてください。
私もいつかは野生のコツメカワウソに。そして、いずれはアマゾンのオオカワウソにも会いに行きたいと思います。